ドローン(小型無人航空機)は、だれでも気軽に遊べる玩具として近年かなりの人が所有していると思われます。
この普及には、おおきくわけて2つの理由が挙げられます。
第一にカメラの進歩です。
搭載カメラの解像度、色エンジン、フォーカス、レンズなどが主な製造国である中国で最も進歩がめざましく、最近ではさらに進化した4k、8kカメラや、高倍率ズームもあり、高精度ジンバルの搭載も大いに寄与しているものと思われます。
さらにGPS測位システムによって自機位置が正確に認識できるようになったこと、通信周波数が2.4ギガヘルツと5ギガヘルツ帯の使用で数キロ先まで普通に飛ばせることが可能となり、操縦の安定と写真や動画の転送も早く確実にできるようになったことが大きな要因でしょう。
従来のこのような飛行物に関しては「航空法」が適用されておりましたが、ドローンの進化に伴って航空法だけではカバーできないこととなり、さらに具体化した法律が作られました。
●航空法:昭和27年法律第231号
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=327AC0000000231
また、従来の包括的な航空法では収まらない「おもちゃ」としての分類だったトイドローンが前述のような著しい技術進歩によって、ある種脅威的であり、且つ限りなく航空機に近い存在となったために、重量、飛行距離、飛行高度、安全装置などにも配慮せざるを得なくなりました。
●小型無人機等飛行禁止法:平成28年法律第9号
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=428AC1000000009_20200714_502AC0000000061
これらの法律で、飛行の基本ルールがまとめられていますが、より具体的な指針、ガイドライン、解説として国土交通省では以下のようなサイトを公開しています。
●無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール
https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html
さらに、これらの小型無人航空機は、前述「おもちゃ」と言う概念では管理、監視が行き届かず、事故や犯罪への憂慮が大きくなり、今年2022年6月からは正式に国の監視下に置かれることとなったのです。
それが、2021年より先行登録が行われている「無人航空機登録ポータルサイト」です。
●無人航空機登録ポータルサイト
https://www.mlit.go.jp/koku/drone/
このサイトで先行登録を受け付けています。
比較的簡単に登録ができますので、オンライン環境のある方はこちらがおすすめです。
※画像引用元:国交省・無人機登録ポータルサイト
(1)登録対象と内容
対象:バッテリーを含む飛行できる状態の総重量が100グラム以上のドローンすべて。
航空法での飛行規制は従来の200グラムを基準としていますが、登録は100グラム以上すべてが対象ですので間違わないでください。
登録内容は以下のとおりです。
1.所有者氏名
2.所有者住所
3.本人確認書類の写し
4.ドローンのメーカー、機種、型番
(2)登録手数料
登録の際には手数料が必要です。
けっこうな金額差がありますので、個人ナンバーカードをお持ちの方は使うことをおすすめいたします。
1.個人番号での登録:900円 2機以降:890円
2.運転免許などでの登録:1450円 2機以降:1050円
3.郵便などの書類での登録:2400円 2機以降:2000円
これらの登録に関してのノウハウは国土交通省管轄・無人航空浮き登録ポータルサイトのPDF資料が一般公開されており、簡略でわかりやすいです。
無人航空機登録ハンドブック(PDF)
https://www.mlit.go.jp/koku/content/mlit_HB_web_0118.pdf
最後に、これに違反して飛行を行い、発覚した場合には結構重たい罰が待っています。
無登録飛行の処罰
航空法に基づき、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金。
さて、この規制に関してオークションやフリマサイトでは2022年2月現在多数の出品が相次いでいますが、次第に出品価格に反応するユーザーが少なくなっています。
今後、事前登録の機嫌が迫るにつれて、中古市場は更に値下がりが進み、現在所有していて自身での登録をしない方は、一日も早い処分が望まれますが、値下がりの傾向はますます顕著になると思われます。
世界の8割以上のシェアを持つ、主生産地である中国メーカーは、いままでの200グラム以下のドローンも、DJIを筆頭に新規流通はかなり苦戦の傾向と推測できます。
国内メーカーは京商などを筆頭にこちらもかなりの落ち込みとなるでしょう。
今後は、100グラム未満の高精度、高機能機種の開発が急がれるものと思われますが、高解像度カメラや、軽量バッテリー、GPS機能は現在でも充分な軽量化が図られているものの、ジンバル付きとなるとなかなか手ごわい開発となることでしょう。
また、総重量が100g未満となると風による飛行安定性も相応に難しくなると思われます。
結果として手軽に外で飛ばし、且つ、高精細な動画や静止画像を楽しむことは今後メーカーの開発を待つということになりますね。