日本は第二次世界大戦の収束とともに牙も爪も持たない国へと変貌しました。
それは戦勝国にとってこの上ない喜びでした。
まさにアメリカにとっては栄誉であり、中国や朝鮮にとっては安堵の日々でした。
やがて時代は移り、爪も牙も持たない日本人は日々仕事に邁進、鋭意努力の結果が経済大国という称号でした。
戦争という武力での問題解決を放棄して、経済活動に専念した日本人は世界でも稀に見る経済復興を成し遂げ、その間も国家を揺るがすような大事件が頻発したにも関わらず、見事な成長を遂げたのです。
その徹底した平和主義とも言うべき国体が得たものは、戦後「賠償」と国内的、国民的には考えた国際援助が仇になり、武力放棄という楔が仇になり、いまや経済的にも軍事的にも「後進国」のそしりを受けそうな国になりました。
ある意味我が国の戦後は歪んだ方向性を持って進んできたのかも知れません。
正常な、健全な主権国家としても地位を得ることなくただ国際的には独りよがりで偽善的な道を進んできたのかも知れません。
賠償は賠償と言い、与えるものと貸与するものの明快な区別を行い、自己防衛のための敢然とした体制を作り上げてきたならば現在のような日本とはまた違ったことは明白でしょう。
そう言ったことに対し、日本人特有の美意識ばかりを優先させた結果が今の日本だと感じます。
世界は奥ゆかしさを評価しませんでした。
世界は武士道を評価しませんでした。
世界は日本式儒学を評価しませんでした。
そして日本はこの極東の地で窮地に陥っています。
台頭していまや世界を席巻しようとする習近平中国、小国でありながらも巧みな世渡り術で生き残る北朝鮮、昔さながらに中国の属国よろしく右往左往するばかりの韓国、スキあらば世界での存在感と発言力を試したいプーチンロシア。
極東を取り巻く帝国主義は未だにその衰えを知らず、古代よりどっちつかずで大国の顔色ばかりを伺う韓国は所詮対等な付き合いなどできるはずもなく、小癪な言動で一族支配を続けようとする北朝鮮もまたおよそ正常で健全な国家とは言えません。
このような国に気を取られている時間はもはや無駄であり、ましてや翻弄されることなどは国家の損としか言いようがありません。
安倍政権が自民党結党いらいの目的を達するのであればそれは日本人による純粋な憲法制定と発布であることは疑うすべもありません。
また、その憲法によって武器は持っても撃つことを知らない自衛隊と言う存在の無力さを国民はもっと認識すべきです。
インド洋や台湾海峡、そしてそれらの一連に関わる海域では今日も虎視眈々と我が物とせんとする勢力がせっせと勢力拡大に汗を流しているのです。
詭弁だろうが何だろうが、実力で我がものとした上は、後付の理屈を並べて専有する。
それに対抗する力も方法も日本にはないのだと知った上での行動なのです。
健全な国家、我々日本人はきれいごとでは済まない国際常識をもっともっと知るべきです。
現実的に振る舞うべきです。
毅然とした国家を作るべきです。
この先100年も200年も安心で安全な日本を維持するために。
あなたの子どもたちや孫たちに戦争を行わせないために。
我が日本にあっても、金もなく、非力で、言い返す能力のない人間は、結局社会の中央にはいられないと言う厳しい現実を知ってください。
世界はもっと厳しいのです。