大阪維新の会がすべてそうではないのだろうが、大阪府知事の吉村洋文知事が政府が創設する「金融・資産運用特区」の指定に向けた提案として開示したことの中に「1億2000万円を払ったら永住権を売る」というものに驚いた。
その理由が「日本の参入障壁が高すぎる」ということだが、政府が目指す「海外投資家のビザ発給緩和策」に関する提案だとのことです。
https://japannewsnavi.com/3629-2/
ちょっと待て!
そもそもだが、永住権が海外では特段の国益を供与する外国人ならば、永住権も提供する国があると言い、我が国もそれに習うべきだとの主張らしい。
これは米国ニューヨーク市のEB-5プログラムや、アジアではシンガポール、中東ではサウジアラビアなどがこれに当たる制度を持っています。
問題は永住権をどんな条件でどんな形で販売するのかという点であろうと思えます。
サウジアラビアにおけるレポート(PDF)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jares/30/2/30_56/_pdf
例えば、国際的に時刻の有益に貢献する外国人に対象を定めていることは同じですが、永住権にも等級があり、且つ、自国民の雇用や、権利喪失にも厳然とした規定があるようです。
これらの国益優先の条件を満たし、且つ、理性的で平和的な活動を行う外国人を永住権の発給対象としているようです。
さて、前出の吉村知事のご提案である日本版グリーンカードですが日本円で提示している点でそもそも世界観が違うと思われます。
過去10年ほどの国際レートを見ればわかるように日本円の危うさはわかり易い例で米ドル対円でも一気に30%位の変動がありました。
USドル/円の為替レートの推移(1980~2024年)
https://ecodb.net/exec/trans_exchange.php?b=JPY&c1=USD&e&s=&ym=Y
これは金(ゴールド)でも円でも相場というものがある以上変動を意識しないわけには参りません。
かと言って単純に円一辺倒でも見込み損が大きく発生する自体が予見され、また、当然ですが日本版グリーンカードの「相場」もいわゆる変動制となってしまいかねません。
金額は悩ましいところだとは思いますが、制度としての発給条件と権利喪失条件の制定がもっと悩ましいのかもしれません。
いずれにしましても人口減少が直接響く生産性人口への対応は国策として必須の課題、小国が13億人のGDPに対抗して世界のトップ集団から取り残されない施策、急務であることだけは確かだと思います。