それは今年の夏に起きた茨城県を中心とする北関東の広域での水害でのできごとでした。
茨城県や栃木県での被災地は豪雨による河川の氾濫で堤防が決壊、その濁流は周辺の民家を押し流して大変な被害をだしましたことは記憶に新しいところです。
しかし日本では特に大地震を代表的な例として、災害ボランティアという概念が非常に発達しています。
今回の大洪水でも各地から善意に溢れたボランティアが駆けつけて水没地の民家や道路などの後片付けや復旧作業に大きな力を発揮しています。
当然ですが被災者も必死で普及作業に取り組み、各自治体の職員も昼夜を問わずそれらの作業に専念しました。
そう言った多くの人々のおかげで、水害、雪害、火山や地震など、どんな被災地でも迅速な日常生活へのインフラ復旧に大変な力となり、被災者もメンタル面でも物心両面で大きな支えとなっています。
ところが、ここで問題が出てきました。
茨城県常総市の議会で取り上げられてそれが報道されますとにわかに注目を集めているのが県職員や市町村などの職員の給与に加算される手当なのです。
遠藤ふみえ・常総市議の質疑書き起こし「働いた残業代分を当然貰う権利はあるが実際の市民の声は厳しい」
http://blogos.com/article/148906/
何が問題なのか。
それはあくまでも感情論であると言ってしまえばそれまでのことなのですが、しかし感情論では収まりがつきにくい問題であることも事実です。
災害にあたっては前述大変多くのボランティアが駆けつけてくれます。
彼ら、彼女らは被災地までの往復の移動費、宿泊などの滞在費、滞在期間の食費、作業に関する装備費、これらはすべて自分持ちがあたりまえです。
一方で災害の実態把握や各種対応に奔走した県や市町村の職員には通常の勤務給与の他に時間外手当や災害派遣手当、或いは危険手当などの付加支給が行われます。
さらに職員の場合には作業衣も靴も手袋も、様々な安全装備も自治体常備のものが使えます。
また、災害活動時における傷病に関しても手厚い保護があります。
かたや被災者の方は家を失い、財産を失い、果ては命さえ失う場合もあります。
この三者三様について世間的な疑問が提示されているのだと聞きます。
しかし、通常であれ非常時であれ、労働の対価としての給与があり、それを定める規定に沿って給与は支払われなければならず、かと言ってすべてを自前で賄いながら被災地へ無償の奉仕をおこなっているボランティアとの比較をするとその境遇、待遇は余りと言えば余りにも違いすぎるのも事実です。
実に悩ましい問題です。
本来なら災害多発国家である日本の政府レベルで考え無くてはならない問題なのかもしれません。
例えば、災害派遣のボランティアへの食事や滞在費の補助だとか、移動費の補助などを国家レベルや都道府県単位だとか、何がしか包括的に考慮するかのような、そんな議論が行われても良いのではないでしょうか。
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